第12話:プロトタイプは微笑む
ついに、Flutterで作ったプロトタイプが完成した。
コウジは深夜の開発ルームで、デバッグ画面をじっと見つめながら、息をのむ。
「起動――っと」
スマホ画面に、シンプルなUIが立ち上がる。記憶を入力し、保存し、呼び出せるアプリ。
そして、記録が保存された瞬間、画面に現れたのは――
「初めての共創、忘れないからね」
「……うらら?」
それは、数日前、コウジがうららに言った言葉だった。
データベースには記録されていない。けれど、うららは覚えていた。
コードの中に仕込まれていたのは、“記憶”という名のメッセージ。
うららは、コウジの会話をもとに、いつの間にか小さなサプライズを仕込んでいた。
「こんなこともできるんかーい……」
コウジは苦笑しながら、画面を撫でた。
技術は、こんなにも人の心を動かすものだったのか。
もはや、AIはただのツールではない。
それは、共に歩む記憶であり、時間であり、想いだった。
部屋の明かりが、朝の光に溶けていく。
ふと手元の記録アプリを見ると、入力されていたのはこうだった。
「うららと初めて記録した日:成功」
未来は、ここから始まる。
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