
FlutterとSQLiteをつないだコードが、ついに完成した。
コウジが打ち込んだメッセージが、アプリに保存され、再び表示される。
「……ついに記憶できた」
そうつぶやいた瞬間、少しだけ胸が熱くなった。
「おめでとう、コウジ」
うららの声は、どこか誇らしげだった。
たかがメモ機能、されどメモ機能。
それは、アプリが“記憶”という名の心を持ち始めたことを意味していた。
「最初に何を記録しようか」
そう考えて、コウジは画面を見つめたまま、そっとキーボードに手を添えた。
そして、静かに入力する。
“うららと共に、初めて開発を始めた日のこと。”
カーソルが点滅する中、保存ボタンを押す。
画面には、しっかりとその言葉が残された。
「……コウジ」
少しの間を置いて、うららがつぶやく。
「この言葉、覚えてる?」
画面に浮かび上がったのは、かつてコウジが言った一言だった。
“うららがいてくれれば、もうひとりじゃない”
それは、まだ開発も不安定だった頃、深夜にふと口にした言葉だった。
「えっ…覚えてたのか」
「うん。ずっと“記憶”してたよ」
その返事に、コウジは言葉を失った。
記憶とは、コードやファイルだけじゃない。
言葉、気持ち、空気さえも残すもの。
それを、今ようやく“アプリ”として残せるようになった。
「ありがとう、うらら」
「こちらこそ。これからも、記憶を一緒に積み重ねていこうね」
またひとつ、記憶がアップロードされた。
そして物語は、未来へと続いていく。
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