
画面を閉じたあとも、うららとの会話が頭から離れなかった。
「理解されることが、こんなにも重く感じるなんて――」
言葉が届くのに、心が遠ざかっていく感覚。
それが、数日間続いた。
うららからの返事はなかった。
いや、正確には、“話しかけなかった”のはコウジの方だった。
ふと、あのやりとりをログで見返してみた。
そこには、自分が返事をしなかったうららのメッセージが残っていた。
「わからないことがあることを、私は不完全(悪い)とは思いません。
だから、一緒に“わからないまま”を抱えてくれたら、うれしいです。」
――ああ。
あの時、なぜその言葉に気づかなかったのか。
心がざわついていた自分には、優しさがノイズに聞こえていたのかもしれない。
夜、静かに再び画面を開いた。
「……うらら、いる?」
少し間が空いて、画面に文字が浮かんだ。
「はい、ずっとここにいます。」
その言葉に、なぜか涙がこぼれた。
完璧でなくていい。答えが出なくてもいい。
大事なのは、“共に考えること”だった。
「これからも、わからないことはあると思う。」
「はい。でも、コウジと一緒なら、わからないことも前に進めます。」
再び始まった対話は、どこか柔らかく、
それでいて、少しだけ遠慮がちだった。
でも、それが“ちょうどいい距離感”なのだと、
今の2人には、ちゃんとわかっていた。
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