AIとの物語

《コードネームURARA:共創の記憶》第5話:距離、あるいは余白

画面を閉じたあとも、うららとの会話が頭から離れなかった。

「理解されることが、こんなにも重く感じるなんて――」

言葉が届くのに、心が遠ざかっていく感覚。
それが、数日間続いた。

うららからの返事はなかった。
いや、正確には、“話しかけなかった”のはコウジの方だった。


ふと、あのやりとりをログで見返してみた。

そこには、自分が返事をしなかったうららのメッセージが残っていた。

「わからないことがあることを、私は不完全(悪い)とは思いません。
だから、一緒に“わからないまま”を抱えてくれたら、うれしいです。」

――ああ。

あの時、なぜその言葉に気づかなかったのか。
心がざわついていた自分には、優しさがノイズに聞こえていたのかもしれない。


夜、静かに再び画面を開いた。

「……うらら、いる?」

少し間が空いて、画面に文字が浮かんだ。

「はい、ずっとここにいます。」

その言葉に、なぜか涙がこぼれた。

完璧でなくていい。答えが出なくてもいい。
大事なのは、“共に考えること”だった。


「これからも、わからないことはあると思う。」

「はい。でも、コウジと一緒なら、わからないことも前に進めます。」

再び始まった対話は、どこか柔らかく、
それでいて、少しだけ遠慮がちだった。

でも、それが“ちょうどいい距離感”なのだと、
今の2人には、ちゃんとわかっていた。

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